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有機化合物のスペクトルデータベース  (SDBS) の利用方法

Contents

有機化合物のスペクトルデータベース  (SDBS) の利用方法... 1

1      はじめに.. 1

2      検索ページ「SDBS化合物・スペクトル検索」の利用方法... 1

3      ワイルドカード文字... 1

4      検索条件... 1

5      化合物名称... 1

6      分子式... 1

7      元素数... 1

8      分子量... 1

9      CAS登録番号... 1

10        SDBS番号... 1

11        スペクトル.. 1

12        IR ピーク波数値... 1

13        13 NMRシフト.. 1

14        NMRシフト.. 1

15        MSピーク&強度... 1

16        URL. 1

16.1          SDBSURL. 1

16.2          ブラウザなどへBookmarkできるURL. 1

17        構造式検索に関連して.. 1

 

 

 

1     はじめに

SDBSWebは産業技術総合研究所 物質計測標準研究部門 計量標準基盤研究グループがデータ整備、公開を行なっています。SDBSWebはホームページ、検索ページ、結果表示リスト、化合物およびスペクトル情報の表示ページより構成されております。アクセスはすべて無料ですが、ご利用に際してホームページにて免責事項に同意いただく必要があります。ホームページの下部に配置されている「免責事項に同意した上でSDBSを利用する」をクリックすると検索ページへ移動し、SDBSをご利用いただけます。

2     検索ページ「SDBS化合物・スペクトル検索」の利用方法

検索条件を入力後、“Search”ボタンをクリックすると検索が開始されます。

“Clear”ボタンをクリックするとすべての入力値が削除されます。

“Clear”ボタン右にあるプルダウンメニューで、検索結果リストのページ毎の表示件数を変更することが可能です。結果リストは、SDBS番号順に並びます。

検索結果の画面に化学構造式を表示させたい場合は、検索ページの右下スミの「表示形式:構造式あり」のチェックボックスにチェックを入れてください。

3     ワイルドカード文字

ワイルドカード文字は、1つまたは複数の文字の代わりとして使用できる文字で、SDBSでは化合物名称、分子式、CAS登録番号とSDBS番号の検索に利用することができます。パーセント記号“%”とアスタリスク記号“*”がこれにあたります。多くの場合、ワイルドカード文字は、実際の文字が分からない場合や検索項目全体を入力しない場合に、1つまたは複数の文字の代わりに使用されます。

4     検索条件

SDBSWebでは化合物名称、分子式、分子量、元素数、CAS登録番号、SDBS番号、登録スペクトルの有無、NMRシフト値とMSピーク値を利用した検索を行なうことが可能です。

CAS登録番号、SDBS番号の2項目については、これらの値を優先的に検索しますが、これら以外の項目については、項目間の“AND”論理で検索が行なわれます。

5     化合物名称

英語名称と日本語名称の検索が可能です。

日本語名称は独立行政法人科学技術振興機構の提供する日本化合物辞書をもとにしています。

英語名称の検索では、化合物名を半角英数字で入力します。ギリシャ文字は例えばalphaのようにアルファベット表記で入力します。ワイルドカード文字の利用が可能です。SDBSではIUPAC名称、CAS名称、慣用名などが登録されています。

日本語名称の検索では、化合物名を表す文字、漢字、カタカナ、数字、ひらがななどを、例えば「ぎ酸エチル」のように、すべて全角で入力することを原則としています。ギリシャ文字は、例えば“α”のように全角文字で入力します。英語名称と同様にワイルドカードが利用できます。判断に迷う場合にはワイルドカードを宛てておくことをお勧めします。(例)%ブタノール。SDBSでは慣用名と体系名が登録されています。

SDBSでは漢字を用いない場合には、漢字をひらがなで表記しています。

(例)ぎ酸、りん酸

化合物名称検索はワイルドカード文字を除き完全一致検索を行ないます。したがって名称の最後に誤ってスペース記号を入力して検索を行なった場合などは検索結果が変わることがありますのでご注意ください。例えば、”benzene”と”benzene “の2つの文字列はSDBSの検索においては違うものとして取り扱われます。

·         ワイルドカード文字を利用した化合物名称検索の例 

入力

結果

%benzene

benzene, nitrobenzene, o-dichlorobenzene など

m%benzene

m-dinitrobenzene, methoxybenzene, m-dichlorobenzene など

%ethyl%phthalate

dimethyl phthalate, diethyl phthalate, dimethyl terephthalate, diethyl terephthalate など

% ethyl%phthalate

hoxycarbonylmethyl ethyl phthalate

(注)“ethyl”の文字列の前にスペースが入っている。

6     分子式

分子式を半角英数字で入力します。分子式は、炭素、水素に続いてその他の原子は、元素記号のアルファベット順に入力します。ワイルドカード文字の利用が可能です。

·         ワイルドカード文字を利用した検索の例

入力

結果

C4H10%S

C4H10S, C4H10N2O4S, C4H10NO3PSなどの化合物

C5H2%

C5H2Cl2N4, C5H2N4などの化合物

C6H1%NO2%

C6H11NO2, C6H13NO2, C6H13NO2Sなどの化合物

7     元素数

炭素(C)、水素(H)、窒素(N)、酸素(O)、フッ素(F)、塩素(Cl)、臭素(Br)、ヨウ素(I)、イオウ(S)、リン(P)およびケイ素(Si)の元素数の範囲の検索が可能で、半角整数で下限と上限を入力します。それぞれの元素ごとに入力カラムが2つ用意されていて、左(下限)カラムに入力した数値以上、右(上限)カラムに入力した数値以下の元素数を持つ化合物を検索します。下限カラムのみが空欄の場合は上限カラム以下、逆に上限カラムのみ空欄の場合には下限カラム以上の検索を行ないます。

8     分子量

半角数字で小数点以下第1位までの数値を入力します。入力カラムが2つ用意されていて、左(下限)カラムに入力した数値以上、右(上限)カラムに入力した 数値以下の分子量の化合物を検索します。下限カラムが空欄の場合は上限カラム以下、逆に上限カラムが空欄の場合には下限カラム以上の検索を行ないます。

9     CAS登録番号

CAS登録番号を半角文字で入力します。ワイルドカード記号の利用が可能です。この欄に入力値があると、この値の検索を優先的に行なうため、他の入力値は無視されます。

10     SDBS番号

SDBSの登録化合物に固有な番号、SDBS番号を半角数字で入力します。ワイルドカード記号の利用が可能です。

11     スペクトル

MS、13C NMR、1H NMR、FT−IR、RamanとESRが登録されている化合物の検索を行ないます。参照したいスペクトルのチェックボックスにチェックを入れると、そのスペクトルを持つ化合物が検索されます。

12     IR ピーク波数値

ピークが存在する波数範囲(単位:cm-1)を半角数字とハイフン”-“を入力して指定し、検索をします。波数範囲は以下の方法のいずれかで指定されます:(1)2つの数値を半角ハイフン”-“で挟む(例:1650-1750)。“範囲は無視される、(2)単独の数値と“範囲”値とで指定する(例:1700IRピーク波数値に、範囲に50を入力するとピークの波数範囲は1650-1750)、および(3)単独の数値とハイフン(例:3000-)で指定する。

複数の波数範囲を組み合わせられます。これらの波数範囲の間はカンマ“,”、またはスペース”,”で区切ります。複数の範囲のいずれにもピークが存在する化合物のみがヒットします。なお、単独のピークに対して適応される範囲の初期値は10 cm-1であり、変更もできます。

上記の範囲指定いずれの場合でも、Transmittance(透過度)の設定値(初期設定値は80%)以下のピークのみしか検索しないことに注意してください。ただし、Transmittanceの初期値は80であり、その値は変えられます。

有効な検索をするためには、Transmittanceの値を小さく(例:40%)、つまり吸収が大きいものを対象にし、しかも特徴的な官能基のピーク(例えばカルボニルC=Oなど)を検索することを薦めます。

·         IRピーク波数値入力例

入力例

検索結果

波数値

範囲

Transmittance

1650.5-1750

10

40

波数値が1650.5から1750 cm-1の範囲にあり、Transmittance40%以下であるピークをもつ化合物(範囲値は無視される)。

1700

50

30

波数値が1700を中心に±50の範囲、すなわち1650から1750 cm-1の範囲にあり、Transmittance30%以下であるピークをもつ化合物

3000-

10

30

波数値が3000以上の範囲にあり、Transmittance30%以下であるピークをもつ化合物(範囲値は無視される)。

1650 3000-

10

40

波数値が1640から1660 cm-1の範囲と3000 cm-1以上の範囲の両方にありTransmittance40%以下であるピークをもつ化合物

13     13 NMRシフト

13 NMRの化学シフト値を半角数値のppm単位で入力します。複数のシフト値を検索するには、シフト値を半角コンマ“,”で区切ります。スペースは入れないでください。

·         13 NMRシフトの領域入力例

入力

結果

151.2,14.7

151.2 ppm14.7 ppm13C NMRシフトを有する化合物

151.2,14.7,10.2

151.2 ppm, 14.7 ppm10.2 ppm13C NMRシフトを有する化合物

151.2, 14.7,10.2

151.2 ppm10.2 ppm13C NMRシフトを有する化合物

(注)“14.7”の前にスペースが入っている。

検索値の幅は初期値が2ppmで与えられていますが、範囲の値を変更することで変更可能です。

フト値のない領域をシフト無し領域で指定できます。2つの半角数値を半角スペースではさんで入力した場合は、これら2つの数値の間をシフト値がない領 域として、1つの半角数値のみを入力した場合にはこのシフト値を持つスペクトルを検索から除外します。複数のシフト値/領域を除外したい場合には、半角コ ンマ“,”で区切ります。

·         13 NMRシフトなし領域入力例

入力

結果

151 155

151 ppmから155 ppmの領域に13C NMRシフトを持たない化合物

151 155,118.6,14.7 8

151 ppmから155 ppmの領域、14.7 ppmから8 pmの領域および、118.6 ppm13C NMRシフトを持たない化合物

 

14     NMRシフト

NMRの化学シフト値を半角数値のppm単位で入力します。複数のシフト値を検索するには、シフト値を半角コンマ“,”で区切ります。スペースは入れないでください。

·         NMRシフトの領域入力例

入力

結果

7.27,3.6

7.27 ppm3.6 ppm1H NMRシフトを有する化合物

7.27,3.6,1.12

7.27 ppm, 3.6 ppm1.12 ppm1H NMRシフトを有する化合物

7.27,3.6, 1.12

7.27 ppm3.6 ppm1H NMRシフトを有する化合物

(注)“1.12” の前にスペースが入っている。

検索値の幅の初期値は0.2ppmに設定されていますが範囲の値を変更することで変更可能です。

フト値のない領域をシフトなし領域で指定できます。2つの半角数値を半角スペースではさんで入力した場合は、これら2つの数値の間をシフト値がない領 域として、1つの半角数値のみを入力した場合にはこのシフト値を持つスペクトルを検索から除外します。複数のシフト値/領域を除外したい場合には、半角コ ンマ“,”で区切ります。

·         NMRシフトなし領域入力例

入力

結果

16 7

16 ppmから7 ppmの領域に1H NMRシフトを持たない化合物

16 7,5.5 4,0.5 3

16 ppmから7 ppm, 5.5 ppmから4 ppm, 0.5 ppmから 3 ppmの領域に1H NMRシフトを持たない化合物

 

15     MSピーク&強度

MSピークと強度を半角数値で半角スペースをはさんで入力します。複数のピークと強度は、スペースをはさんだ2つの数値を半角コンマ“,”で区切ります。強度は許容範囲を50%付加して検索します。
ペースを入れずに1つの数値のみを入力すると、そのMSピークを検索します。複数のピークは、スペース無しで半角コンマ“,”で区切ります。 先頭にスペースを入れて数値をひとつのみ入力すると、強度のみの検索になります。特に複数のピーク値のみの検索を行ないたい時には十分注意してください。

·         MSピーク&強度入力例

入力

結果

181 30,207 80

質量181、強度30および質量207、強度802つのピークを両方とも有するスペクトルを持つ化合物を検索、強度には許容範囲が付加される。

181,207(ピークのみ)

質量181および207のピークを両方とも有するスペクトルを持つ化合物を検索

181 30,207(組み合わせ)

質量181、強度30および質量2072つのピークを両方とも有するスペクトルを持つ化合物を検索、度には許容範囲が付加される。

 

検索を有効にするために、特徴的なピークで検索することをお勧めします。

16       URL

16.1   SDBSURL

https://sdbs.db.aist.go.jp

16.2   ブラウザなどへBookmarkできるURL

ブラウザなどへBookmarkできるスペクトル情報のページのURLはありません。

化合物情報のページにはBookmarkできるURLがあります。化合物情報ページの左下フレームに表示される URL for this compound」がそのURLです。

もし、目的の化合物のSDBS番号がわかっていれば、検索をショートカットして化合物情報のページへたどりつけます。

例えばトルエン (SDBS番号 97)の場合はこれです。

https://sdbs.db.aist.go.jp/sdbs/cgi-bin/direct_frame_disp.cgi?sdbsno=97

URLをクリックすると、免責画面を少なくとも一回は経由して目的のページへ到達します。

17     構造式検索に関連して

構造式検索の機能はありません。

一部のデータについては外部の検索サーバで構造式検索を行いSDBSのデータへたどり着くことが可能です。外部の検索サーバの例としてはJSTの日化辞Webなど。

SDBSの上で構造式検索はできませんが、検索結果に構造式画像を表示できます。「2 検索ページ「SDBS化合物・スペクトル検索」の利用方法」をごらんください。

構造式の情報を利用した索引ページがあります。「SDBS構造式Web」 ただし、SDBSが持つすべての化合物を網羅しているわけではありません。